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aruto's note

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2010/04/06

絵というのはマゾが描くものだと、どこかで聞いた。

22:51

自己否定の繰り返しですよね。

描く前には、ぼんやりとはいえ頭の中に描きたいものが浮かんでいるはず。それを紙に書き出そうとするんですが、いざ自分の描いたものを目の前にして、理想と現実の違いに直面して、ああでもない、こうでもない……と試行錯誤しながら、ひとつの作品を作り上げていきます。

彫刻が「最初は木の塊だったけど、徐々にできあがってきて、時間をかけて形を作り上げた」というものと同じように、絵も「最初はよくわからない線や丸だけど、理想に近づけるために少しずつ修正して、時間をかけて形を作り上げる」ものだと思います。

その作業というのは自己否定の繰り返しです。消しゴムでこすった線も、自分が頭の中でこれが理想に違いないと思って描いた線です。ですが、実際に紙の上に描かれたその線を見てみると、笑顔なのに表情が硬いとか、老人なのにそれ相応の年齢に見えないとかで、少しずつ修正していきながら作り上げていきます。過去の自分が考えて描いた線をひとつずつ否定して修正していくのです。

その膨大な自己否定の上に作り上げられた作品の価値は計り知れません。描いている途中で、自己否定に耐えきれず、無力感にさいなまれながら、筆を置いてしまうかもしれません。

それを乗り越える方法。たぶん「否定を否定だと考えない」ことでしょうか。自分が描いた線を消しゴムでこすることを、苦に思わないこと。

描いた時は正しいに違いないと思ったことを間違いだと認めるのは、だれしも苦しいものです。過去の自分の決定を間違いだと認めるのですから、つらいものです。その積み重ねが、絵の練習を辛くするのですから。

プライドを捨てない限り、それは辛いままです。過去の自分の決定を大事に考える限り、辛いという考え方は変わらないでしょう。

過去の過ちを間違いと認めず正しいと主張するかぎり、前へは進めません。間違いと簡単に認められれば、線を消しゴムでこすることはたやすく、上達も早いでしょう。

間違いを訂正することを自己否定と考えれば、それだけ上達への障壁となります。

そもそも間違いではなく、正しい結論を導き出すためのたたき台に過ぎないと考えましょう。だれしも、一発で正解を出すなんて無理です。たたき台があるからこそ、軌道修正ができ、理想の線がひけるのです。

間違いではなく、過去の否定ではなく、理想への道しるべです。道しるべをたよりに、今日も前へすすみましょう。

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